ウェブデザイン修正で役立つ、おすすめツールと手法

はじめに

ウェブデザインの修正作業は効率的なコミュニケーションと適切なツールの使用が不可欠です。

デザインプロジェクトでは、クライアントのフィードバックや修正指示を的確に伝え、効率的な作業を進めることが重要です。

本記事では、一般的な修正方法から始めて、さまざまなタイプのツールを紹介し、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

一般的なデザイン修正方法の紹介

ウェブデザインの修正作業は、デザインチームやクライアントとのコミュニケーションがスムーズに行われるかどうかに大きく依存します。

以下に、一般的な修正方法をいくつか紹介します。

画面スクリーンショットとコメントの利用

デザイン修正の最も基本的な方法は、画面のスクリーンショットを撮影し、その画像に直接コメントを書き込むことです。クライアントは修正が必要な部分にコメントを付けて指示を出し、デザイナーはそれに対応する修正を行います。

この方法は直感的で簡単ですが、修正の内容や指示の詳細が画像内に収まりきらない場合や、コメントが複数に分散してしまう可能性があります。

メールやファイル共有ツールの活用

修正指示をメールやファイル共有ツールを通じてやりとりする方法も一般的です。

クライアントは修正の詳細をテキストで説明し、必要に応じて画像やファイルを添付して送信します。この方法は修正の詳細な説明が可能であり、複数の修正指示を整理して送る際にも便利です。

しかし、指示と修正内容が別々のメッセージやファイルに分散してしまう可能性があるため、管理が難しくなることがあります。

オンライン会議ツールを用いた修正指示

オンライン会議ツールを使用して、クライアントとデザイナーがリアルタイムで修正内容を共有し合う方法もあります。画面共有機能を活用してデザイン画面を共有し、クライアントが直接指示を出すことができます。この方法はコミュニケーションの即時性が高く、誤解を防ぐことができます。

しかし、時間帯やスケジュールの調整が必要であるため、両者のスケジュールに合わせる必要があります。

紙に印刷して手書きでコメントを入れる方法

紙に印刷されたデザイン画面に手書きでコメントを入れる方法もあります。クライアントは画面を印刷し、修正が必要な部分に直接コメントを書き込んで送付します。

この方法はアナログながらも直感的でわかりやすいため、クライアントとのコミュニケーションを円滑に進めることができます。

しかし、コメントの量が多い場合や、修正指示をデジタルデータで管理したい場合には向かない方法です。字がよみづらい、コピペできないため誤植が発生しやすい面もあります。

PDF化してPDF編集ソフトでコメントする手法

デザイン画面をPDF化し、PDF編集ソフトを用いてコメントを書き込む方法も便利です。クライアントはPDFファイルに直接コメントを追加し、そのファイルをデザイナーに送付します。PDF編集ソフトを使用することで、テキストや図形の追加、ハイライトなども可能です。

この方法は修正指示の管理がしやすく、デザイナーとのコラボレーションを効果的に行うことができます。しかし、フォントやレイアウトの違いによって表示が異なる可能性があるため、注意が必要です。

ここから、これらの一般的な修正方法の特徴や適用事例について詳しく説明します。それぞれの方法の利点と注意点を理解し、プロジェクトに最適な方法を選ぶためのガイドラインを提供します。

ウェブデザインの修正作業をスムーズかつ効率的に進めるための手法を学びましょう。

タイプ別のツールの紹介とその特徴

プレゼンツール

修正指示やフィードバックを伝える際に、プレゼンテーションツールを使用することで、クライアントに対してわかりやすく効果的に説明することができます。代表的なプレゼンツールには、Microsoft PowerPointやGoogle スライドがあります。

これらのツールを用いることで、画像やテキストを組み合わせたプレゼンテーション資料を作成し、修正の必要性やデザインの方向性をクライアントに提示することができます。

プレゼンテーションの特徴的な機能を活用することで、修正の内容を分かりやすく伝え、効果的なコミュニケーションを実現します。

表計算ツール

デザイン修正において、複数の項目や修正内容を整理し管理する必要がある場合、表計算ツールが役立ちます。Microsoft ExcelやGoogle スプレッドシートなどがこれに該当します。

修正指示や要望を表形式で整理し、クライアントとデザイナー間で共有することで、複数の修正指示を一元管理しやすくなります。また、状況の把握や進捗の確認にも使用できます。

しかし、表計算ツールはテキストベースの情報の整理に向いているため、画像やデザインの具体的な視覚的な表現は難しいこともあります。

チャット・コラボレーションツール

リアルタイムなコミュニケーションを強化するために、チャットやコラボレーションツールを使用することがあります。

SlackやMicrosoft Teamsなどは、テキストチャットやファイル共有、画面共有などの機能を提供し、クライアントとデザイナーがリアルタイムで修正内容やフィードバックを共有できる環境を構築します。

特に、緊急の修正が必要な場合や迅速なコミュニケーションが求められる場面で有効です。ただし、適切なチャネルやスレッドを設定し、情報の整理を行うことが重要です。

デザインツール、プロトタイピングツール

デザイナーがよく使うデザインツールには、figma、Adobe XDなどがあります。また、バナーなどのデザイン素材制作では、illustratorやPhotoshopが使われています。また、プロトタイピングツールとして、inVisionやWebflowなども人気になってきています。

これらのデザインツールは、デザイナー同士またはウェブ制作チーム内でデザインへのフィードバック、修正依頼を行うときには役に立ちます。

コメントや参考画像をつけることもできますし、修正案そのものを作成してツール内でそのまま提案することもできます。

デザイン修正指示ツール

画像に対して直接コメントを追加し、修正指示をやり取りするためのツールも存在します。

AUN(アウン)やMONJIは、ページ全体のスクリーンショットを取り込み、その上にテキストや図形を追加してコメントを入れることができるツールです。

また、Revool(レブール)のように、レビューしたいページを画像ではなく、生きたサイトのまま表示し、コメントを投稿・管理することができるツールもあります。

このようなツールでは、デザイン修正が必要な部分について、直接的な指示をわかりやすく出すことができます。また、ツールによっては、プロジェクトの進捗管理や修正の履歴の確認までできます。

プロジェクト管理ツール

デザインプロジェクト全体の進行管理やタスク管理を行うために、プロジェクト管理ツールも利用されます。

BrushupやAdFlowは、デザイン修正だけでなく、プロジェクト全体の進捗、タスク、コラボレーションを一元管理するためのツールです。

さらに、BacklogやTrelloなどのプロジェクト管理ツールも、デザイン修正のタスクを追跡するために活用されます。

これにより、修正内容の優先度や進捗状況を把握しやすくなります。しかし、複数のツールを同時に使用することで情報の分散が生じる可能性に注意が必要です。

各ツールのメリットとデメリット

プレゼンツールのメリットとデメリット

プレゼンツールのメリットは、画像やテキストの組み合わせにより、修正内容やデザインの方向性をわかりやすく伝えることができる点です。普段プレゼン資料を多く作る人なら、効率よく修正指示を作成し、関係者に共有できます。

一方、プレゼンツールのデメリットは、タスク管理が難しい点です。

たとえば10ページの資料を作成した場合、その中には、いくつのタスクがあるのかもわかりません。さらに資料が2つ、3つと増えていくと、その新旧や重複も含めて、現場に混乱をきたしかねません。

複数の資料のうち、どの資料が最新で、どのタスクが対応済みで、どのタスクが完了したのかの判断が難しくなるのです。

また、デザイナーがあるタスクを対応した場合、プレゼン資料上にどのように記録するのか、その修正を誰がどのタイミングで確認し、完了として記録するのかも難しいところです。

ビジュアルでわかりやすい修正指示は作りやすい反面、そのタスクの一覧性やステータス管理が難しいのがプレゼンツールの弱みと言えるでしょう。

表計算ツールのメリットとデメリット

ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールのメリットは、複数の修正指示を一元管理しやすい点です。タスクがいくつあり、どのステータスなのか、修正の内容や進捗を見やすく整理し、社内やクライアントとのコミュニケーションを効率的に行えます。

その反面、表計算ツールの弱みは、複雑なデザイン修正指示の整理にあります。

文言修正やリンク切れの指摘など、簡単な指示は表内のテキストで伝えられますが、画面のスクショに指示を書きこむような場合には、表とは別に指示を書きこまなければなりません。

この場合、クライアントやディレクターなど資料の作成者自身でも、スプレッドシート内でデザイン修正指示が散在し、どこに何があるのか、何を含めて何が漏れているのか、わからなくなりがちです。

また、修正指示を受けるエンジニアやデザイナーから見ても、指示が多くなればなるほど、わかりづらくなっていく傾向にあるでしょう。

チャット・コラボレーションツールのメリットとデメリット

SlackやTeamsなどのチャットツールのメリットは、リアルタイムでのコミュニケーションが可能な点です。普段、社内外のメンバーとやりとりするツール上で、そのままデザイン修正指示を出すことができます。

チャット上で画像もURLリンクもテキストも、あらゆる形式のデータがやりとりできるため、緊急の修正や素早いフィードバックのやりとりに適しています。

チャットツールの難しさは、「情報が流れていってしまう」点にあります。そのため、2~3項目のデザイン修正依頼であれば、まったく問題はおきませんが、指示が10以上になってくると、それぞれのタスク管理に問題が起きてきます。

また、複数のチャネルを使っている場合、どこでどの修正指示を出したかわからず、同じ修正や重複または矛盾した修正が混在してしまう可能性もあります。

このため、広告バナーのフィードバックくらいであればOKですが、ランディングページなど一定規模以上のコンテンツのフィードバックやプロジェクト管理には向いていないでしょう。

デザインツール、プロトタイピングツールのメリットとデメリット

figmaやAdobe XDなどのデザインツールのメリットは、もともとデザイン制作に活用しており、社内や関係者間で使い慣れたツール内でコメントや修正依頼が完結する点です。ツールを新たに増やす必要もありません。

また、アカウントを持っていないクライアント担当者などにもコメントをつけてもらえる機能もあり、簡単なフィードバックをもらうことはできます。

一方、デザインツールで惜しいところは、コメント機能やタスク機能が弱いところです。

もともとデザインするためのツールであるため、コメントにつけられるのは「完了済み」といったタグくらいです。また、コメントの検索機能も最低限になっています。

そのため、未対応、対応中、ペンディング、レビュー中、完了といった細やかなステータス管理ができないと、複数メンバーで確認や検討を行いながら、タスクを完了させていく目的には合いません。

多くのコメントやタスクを一覧で確認したり、検索したり、細かなプロジェクト管理ツールとして行うには、使いにくい面もあります。

また、デザイナーには使い慣れたツールも、非デザイナーにはとっつきにくい、難しいと感じられることもあるでしょう。

デザイン修正指示ツールのメリットとデメリット

AUNやMONJI、Revoolなどの修正指示ツールのメリットは、画像に直接コメントを追加し、具体的な指示を出しやすい点です。修正の内容をわかりやすく伝えることができます。

デザイン修正指示ツールには、ページを画像化して取り込むタイプと、ページを直接読み込むタイプがあります。

ページ全体を画像化して取り込むタイプのツールでは、ページ読み込みに時間がかかり、待たされることがあります。

また、ページ全体を画像化するため、マウスオーバーやスクロールによる動的効果やアニメーションへのコメントが難しかったり、できなかったりします。また、スライダーや横スクロールがあるデザインの場合も、うまくコメントを付けづらいかもしれません。

目下制作中のウェブページの場合、ページがどんどん修正・更新されていきます。そうなると、一度取り込んだ画像がすぐに古くなってしまう課題もあります。バージョン管理をするにも、あまりに更新頻度が高いと難しくなるでしょう。

Revoolのようなページを直接読み込むデザイン修正指示ツールであれば、こちらのようなデメリットをクリアすることができます。

プロジェクト管理ツールのメリットとデメリット

Backlogなどのプロジェクト管理ツールのメリットは、プロジェクト全体の進捗やタスクを一元管理できる点です。

ガントチャートでは、各タスクのスケジュールが一目で確認でき、また、カード形式のビューでは各タスクのステータスもすぐわかります。メッセージ機能も備わっているため、ツール内でデザイン修正指示を行うこともできます。

一方、プロジェクト管理ツールの弱みは、少し矛盾するようですが、細かなタスク管理にあります。

プロジェクト管理ツールは、プロジェクト全体を見渡し、設定したタスク別に納期を決め、メンバーをアサインして進めていく上では優れています。

しかし、日々メンバーが向き合うタスクとは、タスクをさらに細分化した、いわばミニタスクです。

たとえば、ウェブ制作プロジェクトの場合、トップページ制作というタスクがあった場合、その完成までには50~100近い修正指示が出てきます。

このようなタスクをステータスごとに管理しモニタリングするには、プロジェクト管理ツールはあまり向いていません。

つまり、プロジェクト管理ツールは、プロジェクト全体を見渡し、大きく分けたタスクの優先度や進捗状況を把握しやすい反面、細かな積み上げ型のタスクを管理していくツールではないのです。

まとめ

ウェブデザインの修正作業において、効率的なコミュニケーションと適切なツールの選択は重要です。

一般的な修正方法から始め、プレゼンツール、表計算ツール、チャット・コラボレーションツール、デザイン修正指示ツール、プロジェクト管理ツールなど、さまざまなツールを紹介しました。

それぞれのツールのメリットとデメリットを理解し、プロジェクトのニーズに合わせて最適なツールを選択してください。

ウェブデザインの修正作業を効率化し、クライアントとのスムーズなコミュニケーションを実現しましょう。

ウェブ制作の修正指示ツールも活用しよう

ウェブサイトのデザインレビュー、デザイン修正依頼では、スケジュールに沿ったタスク管理や抜けモレを防ぐことが大切です。

ウェブ修正指示のプロジェクト管理には、Revool(レブール)が便利です。

Revoolは、ウェブサイト、アプリ、動画、ゲームなど、あらゆる制作物のデザイン修正指示、UI/UX改善を支援するレビューツールです。

生きたサイトをそのまま読み込むLIVEレビューモード

実際のウェブ画面を読み込むLIVEレビューを採用。動的なサイトも動画もスムーズにレビュー。

コメント投稿・更新がしやすい、レビューキャンバス採用

レビューに役立つ機能が備わった、独自のキャンバス。スクリーンショットの読み込みも自動で。

納期遅れ、対応漏れを防ぐ、コメント別タスク管理

ウェブ制作におけるデザインレビューは、出力品質を向上させる上で極めて重要なプロセスです。

デザインの品質や一貫性を保ちつつ、クライアントの要望を満たすためには、デザイナーとクライアント間のコミュニケーション強化や適切なツールの活用、エンジニアとの協力強化が欠かせません。

これらの要素を適切に組み合わせることで、効果的なデザインレビューを実現し、優れたウェブ制作を達成しましょう。

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